大きな社会問題である子どもの体力低下
我が国の大きな社会問題のひとつに子どもの体力低下問題があげられています。
具体的には、親世代に比べ『走る』『跳ぶ』『投げる』という能力が明らかに低下しているようです。
埼玉県医師会による運動器検診の結果、ロコモティブシンドロームの恐れがある子供の割合が増加しているとのこと。
ロコモティブシンドロームとは、『運動器症候群』と呼ばれる体を動かすのに必要な関節や骨、筋肉などが加齢や運動不足により機能不全を起こした状態のことで、高齢者に多いとされます。
具体的には、『しゃがみ込む』『走る』などの日常生活を阻害するもので、埼玉県医師会の調査では幼稚園から中学生までの1343人を対象に調査した結果、『片足立ちが5秒以上できない』『しゃがみ込みができない』『万歳の姿勢で二の腕が耳につくまで180度挙げられない』『体前屈で指先が床につかない』などの子供が40%に上るとのこと。(2016年発表)
結果、和式便所でかがめずに後ろに倒れたり、つま先が上がらず何もない場所でつまずいたり、軽度の運動でも骨折を起こす割合が多いということです。
これらの能力はスポーツ活動の基礎であり、日常生活動作に直結する能力ともいえます。
文部科学省は体力テストと同時に生活習慣調査もおこなっており、その調査結果と体力テストの結果には『体力・運動能力が高い子ほど生活習慣も好ましい』という関連性が見られたそうです。
子どもの体力低下は今直面している生活全般に強く影響を及ぼしています。
子どもは身体を動かしたいという活動欲求が強いものですが、現代社会ではその欲求を抑えられがちであり、しいては体力低下とともに欲求を抑えられるという『心の問題』にも強く影響を及ぼすことになります。
また、人が身体の使い方・動かし方をおぼえるのは小学生の時期ともいわれます。
以上のことを踏まえると、身体のすみずみまでを動かし、且つ心の鍛錬や姿勢づくりをも目的とした永心道空手は子どもの成長に非常に適した運動であり、今なぜ武道が求められるかは言わずもがなであります。